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Tのためいき
 生活者の視点で、わかりやすい情報を基本とし、法律や経済、くらしの様々な有益な情報をコラムとして、学識経験者や専門的な分野で活躍する方々に寄稿していただいたものを掲載しています。

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「便利さ」                  2009/Vol.12
 先日のY新聞に、「便利さに感謝する心」と題して、次のような記事が載った。
 「久しぶりに我が家に友人が来て、トイレに入って出てきたが、『戸を開けたらふたが自動に開いて、便座もすぐ温まった。』ひとしきりトイレの話で花が咲いた。一年半前に修繕を機会に新しいトイレにとりかえた。はじめはとても喜んだが、いつの間にか慣れ、当たり前のように使っていた。
 家の中を見渡せば、全自動の洗濯機、温度設定をしてくれるお風呂、友人の言葉に生活の便利さに感動もしなくなり、感謝の念も忘れていた自分に気づかされた。」

 それにしても、太平洋戦争以前に、私がT市の大学へ通学している頃、母は毎朝四時半に起床して、かまどの前に立ち、薪の下に丸めた新聞を入れ、マッチで点火してそれが薪に移るのを待って、次々と薪を放り込んで御飯を炊いていたのである。私は起床するなり母の用意した朝食を早くすますと、徒歩二十分の道をA駅へ急いだものだった。勿論冷蔵庫はなく、余りの米飯は、夜がくれば腐敗を防ぐため、いかき(木の笊(ざる))に入れて窓の外に吊したりした。洗濯は布を手で洗濯板にこすりつけて垢を落す以外に方法はなかった。
 太平洋戦争が終って、外国の文明がどっと入ってきた。
 今や自動の時代である。
 お茶、コーヒー、ジュースは勿論、一日三回の食事は、ボタン一つで自分の希望するメニューが、目の前に並べられる。食器も洗濯物もスイッチ一つでそれぞれの自動機によって処理され、元の場所へ収められる。
 旅行する時は、改札は勿論列車も駅からホテルまでも、人間は一人も居らぬ。
 ホテルに着くと、
 「いらっしゃいませ」
 とロボットが玄関先で丁寧に出迎えてくれる。
 「どうぞ こちらへ」
 ロボットに部屋まで案内され、食事も酌もロボットがしてくれる。風呂ではロボットが背中を流してくれる。
 病気になれば、ベットに横になっているだけでよい
 「アーン 口をあけて」
 口の中へ食物を入れてくれる。下の処理もロボットがすべて機嫌よく処理してくれる。それ所か人間の脳で意志を示せば、ロボットが察知して意志通りにしてくれる。
 どこへ行っても人間に遇うことはない。
 「便利さ」とは一体何だったのだろうか。
ところでこれ等に要する金は、どこで手に入れたらよかろう。
 そうだ、ロボット界に派遣社員として雇用してもらおう。

                           阿南市文化協会顧問 片山 文夫

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