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Tのためいき
 生活者の視点で、わかりやすい情報を基本とし、法律や経済、くらしの様々な有益な情報をコラムとして、学識経験者や専門的な分野で活躍する方々に寄稿していただいたものを掲載しています。

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二上がり音頭〜新仏を送る行事〜        2015/12 Vol.62    
 去年のこと、開閉橋として親しまれた橋が、少しだけ上流に昇降橋として架け替えられた。河川敷に造成された団地に住んでいる私には、向かい側にある事代主神社が散歩の目的地に手ごろな位置になった。河川の管理道路は、適度の散歩コースであり、ちょっとした時間があれば、新しい橋を通り散歩をかねて事代主神社を参拝している。

 8月20日、神社の鈴を鳴らして、ふと目を上げると裏に櫓が建ち、ぼんぼりが吊り下げられている。つい釣られて近くに行くと幾人かの世話役が忙しそうに何かの準備をしていた。「今夜何かあるのですか」と伺うと、新仏の供養があり、その後で二上がり音頭の踊りがあるとのことだ。

 父は二男、私は三男、共に転勤族であり、地域の行事に声が掛かることも参加する機会もなかった。珍しいので二上がり音頭だけ見せてもらった。櫓で歌う太夫も三味線の奏者も共に現役を引退したと思われる人たちである。まわり音頭で踊る踊子も周りを囲めないほどの人数なのである。楽しみに集まるはずの子どもたちも、さらに少ない。虚空蔵堂と呼ばれる広場には新仏を送るには寂しい人たちである。

 これでは、横の事代主神社での七五三の氏神参りも、想像するところ数えるほどしかあるまい。子どもの誕生を地域が迎える行事があり、成長を願うイベントがあり、最後は、別れの残された人の心の慰める新仏供養があり、と一連の行事も衰退しつつあるのだ。地域文化の衰退と言うのではなく、地域文化を支える人たちの急激な減少と思われる。ゆっくりと幾百年もかけて人口が減少すれば目に見えない変化、気が付けば大きく変化したと後で気が付くのである。

 少子化が老齢化社会を引き起こし、人口減が地域の衰退を誘導する。農業や漁業でも地域が共同作業をすることが少なくなった。豊作や豊漁を地域の全体で祈る行事も必要がなくなりつつあるのだ。氏神様も農と漁、サラリーマンでは同じと言うわけにはいかない現実もある。

 私のように故郷に抱かれた経験のない、更に新興住宅団地に住んでおれば、虚空蔵堂や氏神に支えられている日々は羨ましい。地域の文化の誕生や逝去の行事は支え続けてほしいものである。
(写真は、徳島市川内町加賀須野)
                  松茂町文化協会々長  三原茂雄


 

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