とくしま消費者交流ひろば
とくしまの食
くらしに役立つコラム
消費者交流イベント
消費者トラブル
もったいないっ!から始めよう
生活+α
キッズ
消費生活相談窓口
リンク
くらしの情報大募集!
メールマガジンの登録はこちら
携帯サイト

クリックでURL表示
お問い合せ
Tのためいき
 生活者の視点で、わかりやすい情報を基本とし、法律や経済、くらしの様々な有益な情報をコラムとして、学識経験者や専門的な分野で活躍する方々に寄稿していただいたものを掲載しています。

バックナンバー
先祖供養                   2015/ 9 Vol.61    
      〜和菓子の花散里の焼き印〜

 葉月の8月は、葉の落ちる月が語源とも言われる。先祖供養の盆のある月であるが、標準語の、ぼん、よりも徳島では、ぼに、と私のような古い世代、なおかつ県外での生活経験のない者は発音したものだ。ワープロの時代になり、ぼに、では漢字変換ができないので方言であることを教えられた。

 長月の9月は、稲刈り月が転じたとも言われるが、秋の彼岸が頭に浮かぶ。重陽の節句であったり、救急の日であったり、の9月9日がある。稲の刈り取り時期が早くなり、二百十日は暦にも記されていないものが多くなった。二百十日を暦に入れた渋川春海がモデルの小説『天地明察』にさえ二百十日の記述がない。

 8月9月と先祖供養の行事が短い期間で続くが、盆や彼岸の行事は、先祖に対する一つの儀式を通して一族が会して仲良くしなさい、と機会を与えられたものである。とは言いながらも、農業のように地域との結びつきが弱い勤め人が多くなり、儀式は減る傾向である。一族が集い農作業を手伝うことも機械化によりなくなってきたからであるし、親戚の居住地も近いところばかりではなくなったからでもある。

 話は変わるが、盆や彼岸になると並ぶお供え物の和菓子の焼き印の模様に源氏香の「花散里」がある。この模様が数学の順列・組み合わせの教材に丁度手頃なので面白く授業で使った。香図は着物の柄にも使われたが、昨今は着物を着ている人の減少とともに見かけなくなった。源氏物語の中でもいろいろあるにもかかわらず、お供えの和菓子に花散里の地味なものが選ばれるのは面白い。

 インターネットから、花散里を引用すると、第11帖、作中最も短い巻である。巻名は光源氏の詠んだ歌「橘の香をなつかしみほととぎす花散里をたづねてぞとふ」に因む。また、古今和歌集に「五月まつ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする」と詠まれたことから、昔を思い出す花として登場する。さらに、源氏の君は麗景殿の女御を訪ね、懐かしい桐壺帝の昔話をして心慰めます。その妹が花散里と呼ばれる姫君である。親戚縁者が集まり個人を偲ぶのには、花散里の和菓子は深い味わいがあり、香道と源氏物語が無関係のようで結びつくのは趣がある。

 蛇足だが、和菓子屋さんによると、源氏香の図の焼き印は吉凶いずれにも使われるし、使ってよいとのことである。
(2枚の写真は、彼岸の和菓子 高松製菓より)
              松茂町文化協会々長 三原茂雄


特定非営利活動法人徳島県消費者協会
〒770-0851 徳島市徳島町城内2番地1 とくぎんトモニプラザ(徳島県青少年センター)5階