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 生活者の視点で、わかりやすい情報を基本とし、法律や経済、くらしの様々な有益な情報をコラムとして、学識経験者や専門的な分野で活躍する方々に寄稿していただいたものを掲載しています。

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小布施の栗菓子にみる付加価値の構造      2008/Vol.8
 秋の味覚は柿とみかんと栗。つい最近長野県の小布施にいってきた。小布施の町に入るとりんごの木と栗の木が圧倒的に多い。栗の木は自生ではなく、もとは京都から苗を移植したそうで、江戸時代には、収穫された栗はほとんどが朝廷や幕府への献上栗とされていたといわれる。その長野県の小布施の町は、人口1.2万人の町だ。徳島県で人口1.2万人の町といえば、私の住む羽ノ浦町とほぼ同じだ。同じ人口でも、外来者数は全く異なり、なんと年間120万人の人が訪れているという。
 近年いわれる地産地消の推進は、地域内での経済循環を促進するが、経済を拡大するには、地域外からのいわゆる「外貨」獲得が必要である。それの最たるものは、地域外の外来客を呼び込み、地元産品を買ってもらうことであろう。小布施には、老舗の菓子店舗が集積し、栗の上品な甘さを生かした最中や羊羹、アイスクリームなどを直販する。美味しさと土地の魅力が商品の付加価値を高め、「小布施の栗菓子」という高級和菓子のブランドを形成する。
 もっとも、今日の隆盛は、明治期の鉄道の発達で地域の経済が落ち込み、東京など大消費地に市場を求め、激しい競争の中で味を追求し、新製品の開発を図った結果、消費者の支持を得たからである。全国的なブランドとして確固たる地位を確保したのは、昭和50年代以降で、そこには、町の文化、歴史を発掘し保存しようとする地域住民の視点が参考になる。
 小布施の町は文化の町である。『富嶽三十六景』あるいは浮世絵版画でしられる葛飾北斎は、江戸に生まれ、江戸に没した90年の生涯に90回以上転居したという人だが、80歳台半ばに、豪商高井鴻山の庇護のもとに4回も小布施を訪問し、長期に亘って滞在し、画業の集大成を図った特別な場所だという。北斎画を保存し、展示し、一元管理する「北斎館」を開館させたのが、昭和51年のこと。これに土壁、塀の路地空間といった歴史的建造物を官民が一体となって保存し、再配置、再利用する、また新しい建物を建てるときにはこうした建物と調和させる取組みである町並修景事業が歴史的な雰囲気をかもし出し、多くの観光客をひきつけているといえよう。
 このように、栗菓子にあった歴史、伝統や味、品格がうまく調和し、栗菓子ブランドを高めている。地域の産品のブランド化は、地域イメージを高めることと一体で、製造業者、地域住民、消費者、官公庁一体となって作り上げるものであることを改めて感じた。  
                         濱川経営研究所  濱川 泰博

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