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 生活者の視点で、わかりやすい情報を基本とし、法律や経済、くらしの様々な有益な情報をコラムとして、学識経験者や専門的な分野で活躍する方々に寄稿していただいたものを掲載しています。

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大龍寺 〜うらやましいご夫婦・熟年ウオーキング〜 2008/Vol.2
 大龍寺へのロープウエイの乗客は私たち夫婦と後から乗り込んできた私よりちょっと年上と思われる遍路姿の夫婦との四人だった。動き出してまだまだ不安定な状態であったが、奥さんがしきりにご主人の服装、白装束を直していた。襟周りを2度3度と直している姿は、私同様男は駄目なもので、妻から見れば何時までも子どもだと思いつつ自分を見る思いでついつい密かに苦笑いを禁じえなかった。
 眼下に森林を見下ろすと木陰には雪が残り、目指す大龍寺にも雪が見える。道理で客は少ないはずだ。こんなに寒さの厳しい日はお遍路さんも少ないのだろう。ロープウエイは大きく揺れて山頂駅に着いた。老人ばかりの乗客だからか親切にゆっくりと説明してくれたガイドさんに送られて降りれば目の前には急な長い階段が目に飛び込んできた。一瞬、登りきれるかと心配したが、ここまで来たからには登らなければ、ロープウエイ代が損したような気もして貧乏根性が頭をもたげてきた。
 かき分けた雪が階段の両側に残る階段をご夫婦は登り始めていた。今まで気が付かなかったが、奥さんは足の調子が悪いのか、ちょっと足を引きずっている。奥さんはゆっくりしたテンポで右手は手すりを握って登り、ご主人は一歩一歩と後から手助けしつつ、何かを語りかけながら登る。私よりかなり遅れて本堂に登り着いた。風はさすがに寒いのをこえて冷たい。本堂前では何かを拝んでいるようではあるが何であるかは聞こえてこない。
 大師堂へは小さな太鼓橋があるが、横になり、後ろになりながらご主人が付き添っている。いい年を夫婦で重ねた人も居るものだと、寒さも忘れて見つめていた。ご夫婦は、再び私の前を通過して、納経所への階段を下りて行った。納経所前には徒歩で登ってきた熟年のウオーキングを楽しむ一団が、雪をかき分けた日だまりで賑やかに昼食を食べていた。私が六角堂や山門を眺めながらうろうろしているとご夫婦の姿は何時か見えなくなっていた。
 楽しい良い歳を重ねてきた温もりあるご夫婦、元気で仲間と軽い山登りをウオーキングとして楽しむシニア、いずれも高齢者の模範的な生き方だろう。介護保険証を与えられる歳になると、健康であることがうらやましくなるし、妻が一緒に行動してくれることが何よりも幸せを感じるときでもある。哀れな年寄りのちょっと寂しい呟きである。
                    しらさぎ消費者協会 会長 三原茂雄

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