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Tのためいき
 生活者の視点で、わかりやすい情報を基本とし、法律や経済、くらしの様々な有益な情報をコラムとして、学識経験者や専門的な分野で活躍する方々に寄稿していただいたものを掲載しています。

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秋を告げる彼岸花               2016/10 Vol.69  
    〜彼岸花、曼珠沙華、そうれん花〜

 勝浦町の星谷公園の堤の法面には秋を告げる彼岸花が咲き、通りがかりの人の目を楽しませている。また、その華やかさをカメラに収めようと人が集まるところでもある。堤下の田圃に稲が残っているか、刈り取られているかで、微妙に景色の趣を変えている。今や勝浦町のご自慢の秋の風物詩である。私も秋を味わいにここ数年通っている。

 いつだったか場所も正確には思い出せないが、美しく咲いた彼岸花を見つけたとき、彼岸花をバックに記念の写真を撮ろう、と妻が言った。咄嗟に「嫌だ!」と不機嫌に私は言ったのである。余りの剣幕に妻は黙ってしまった。冷静さを失った返事であり、異様でもあったと思うのだが、条件反射の反応だった。

 父方の墓地が山の斜面にあり、日当たりが良く、秋には墓の境界に彼岸花が咲いていた。緑の雑草も少ない墓地の隙間に彼岸花は咲いていたのだ。子どもたちは「そうれん花」と言って恐れた。花に触れると死者にあの世に連れて行かれる。赤い花が蛇の舌のように不気味で怖かった。見るだけで異様、美しいという感情はわかなかった。

 彼岸花と言えば、古い世代の人たちは長崎物語の「赤い花なら 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、阿蘭陀(オランダ)屋敷に 雨が降る・・・・」の歌詞を思い出す。ロマンチックな長崎、オランダ屋敷、続いての曼珠沙華は想像するだけで美しかった。成人して、曼珠沙華が、そうれん花であることを知ったときは不思議な感じを味わった。

 義理の姉は、彼岸花の根を食料としていたので、戦中は、田圃の畔、隙間にも彼岸花を植えたという。10人寄れば10人の思いがあるのだ。私の、彼岸花への恐れに似た思いは今も緩和し難く、刷り込みは根強いものであることを感じている。
     (写真は、勝浦町星谷の彼岸花)
 
                        徳島広域消費者協会 顧問 三原茂雄


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